妻の浮気による離婚 - 夫が親権を取るために必要な3つの条件
妻の浮気が原因で離婚することになった時、慰謝料などとは別に決めなければならないことがあります。
それは子供の親権者です。
子供が成人し自立するまでの間、親権者は責任を持って子供を育てなければなりません。
親権の獲得は妻が有利とされていますが、夫が親権を取るためにはどうすればいいのでしょうか。方法を確認していきましょう。
夫は育児能力では不利。生活の見直しや周囲の協力で対抗しよう
親権者の決定においては、子供を幸せに育て、無事に自立させられるかどうかが重視されます。
妻が浮気をしたのだから、親権争いでも夫が有利になると思うかもしれませんが、そんなことはありません。
離婚の経緯は親権者の決定に関係なく、あくまでも子供を育てる能力が重視されるのです。
第一の条件は、子供とすごす時間の長さや、家事・育児の経験です。
この点で、多くの夫は不利な立場になります。実際、日本で夫婦が離婚した時、妻が親権者になる割合は90%にも上ります。
また、この比率自体が「世間の常識」として妻の親権獲得を後押しするので、覆すのは簡単ではありません。
対策として、離婚までの実績だけではなく、子供を引き取ったあとの見通しを立てておくことが推奨されます。
仕事を早めに終わらせて子供とすごす時間を増やすこと、家事や育児の能力も問題ないことなどを示しましょう。
夫の両親や親族など、周囲の協力が取り付けられれば説得力も増します。
もちろん、夫婦共働きで家事や育児を平等に行っていたのであれば、親権争いでも対等になれます。
実績はしっかりと主張しましょう。
経済力の差は絶対的な優位性ではない。居住環境の変化も考慮
第二の条件は、子育てに必要な財産や居住環境があるかどうかです。
育児能力では妻が有利である一方、夫の強みは経済力です。
多くの家庭では、夫の方が妻よりも収入が多いので、子供に不自由をさせないためにも夫が引き取るべきだと主張できるでしょう。
しかし、これは夫が十分な養育費を支払えば解決できる話です。
子供のために仕事の時間を減らすと、離婚前よりも収入が減るのではないかという問題もあります。
そのため、経済力は夫の優位性を保証するものではないと考えてください。
また、子供の育つ環境はできるだけ変えない方がよいとされています。
離婚後、妻が子供をつれて遠方の実家に戻らざるをえないのであれば、居住環境が変わらない点で夫が有利になるでしょう。
ただし、離婚前に妻が子供をつれて出ていってしまい、別居生活が長期にわたっている場合は話が変わってきます。
子供が新たな生活に馴染んでしまっているので、離婚後に夫の家に戻すと、かえって環境の変化を大きくしてしまうからです。
早めに行動を起こすのが望ましいといえるでしょう。
子供に信頼される父親でなければ、親権者となる資格はない!
第三の条件は、夫の人間性です。
子供が10歳くらいになれば、両親のどちらと一緒に暮らしたいかという子供の意志も尊重されます。
子供に信頼され、一緒にいたいと思われるような父親であり続ければ、親権を獲得する資格はあるでしょう。
妻の浮気が親権争いに無関係なのと同様、夫の人間性も「子供にどのような影響を与えるか」が重視されます。
妻に暴力を振るったことがあったとしても、それを子供が知らなければ大きな問題にはなりません。
もちろん、子供に暴力を振るったことがあれば、著しく不利になるでしょう。
その他、精神疾患、アルコール依存、ギャンブル依存なども親権獲得の妨げとなります。
親権者になりたければ、離婚の前後を問わず品行方正な振る舞いを心がけてください。
まとめ:夫の不利は事実 - 親権者として相応しいことを示そう
基本的に、親権争いにおいて夫は不利な立場です。
親権を妻に渡し、月数回の面会で我慢するのもやむをえないかもしれません。
しかし、少ないとはいえ夫が親権者となるケースも確実にあります。
子供と離れ離れになりたくなければ、自分が親権者として相応しい証拠をできる限り提示してください。