「妻が浮気をしているかもしれない」

そんな不安に駆られて探偵事務所に相談してきた林さん(仮名)は、東京都内に住む会社員です。

数年前に子供が生まれ、ローンを組んでマンションの一室を購入。仕事も順調で昇進間近というタイミングで、妻が浮気をしている可能性に気が付いたと言います。

妻の仕事が急に忙しくなったことから浮気に気が付く

妻が浮気をしていると感じたのは、仕事から帰ってくることが遅くなったことや、休日出勤が増えたことから。

林さん夫妻は共働きで、奥さんは事務員として勤めていました。
家事は二人で共有。子育ても夫婦二人三脚で行っており、現代的で理想的な夫婦です。

しかし、数か月前から急に残業が増えはじめたかと思うと、なぜか休日に会社に出向くことまで増えはじめました。

事務員にも残業も休日出勤もあることは以前から知っていましたが、それが突然回数が増えたことにさすがに疑問に思った林さん。
奥さんにバレないようこっそり携帯電話を調べようと試みましたが、なぜか以前教えてもらったパスコードで開くことができません。

これは確実に浮気をしていると感じた林さん。
場合によっては夫婦関係を修復しようと思いましたが、現実的に考えて離婚が妥当だろうと思い、慰謝料請求と離婚請求を行うために探偵事務所に浮気調査を依頼されたのです。

浮気相手は会社の同僚

林さんの依頼を受けたあと、探偵事務所は事前調査を行い、林さんの妻の会社を確認。帰宅ルートについても調べました。

調査当日。
事前に調べておいた出入り口を中心に張り込みを行うと、定時丁度に妻が会社からでてきました。

しかし、この日妻は残業で遅くなると林さんに伝えていたことから、すでに仕事という嘘は確定。
あとは浮気をしているかどうかを調べることになり尾行を続けますが、妻は予定通りの帰宅ルートを通り電車に乗ります。

行先も自宅方面。
これは偶然残業がなくなっただけかと思いきや、途中に降りる予定もない駅で下車。そのままホームのベンチに座ります。

すると、隣に座っていたスーツを着た男性が妻に話かけているではありませんか。
話しかけられた妻も別に驚く様子でもなく、むしろ嬉しそうに男と話すと、二人は立ち上がり、手をつないだまま駅を出て行ったのです。

この男性は一体何者なのか？

実は、現場にいた調査員はこの時点で男が妻の会社の同僚だということがわかっていました。

というのも、探偵は張り込みを行う最中でも、ターゲットが働く会社を出入りする人間を撮影しているからです。

幸い、妻の働く会社は従業員30名たらずの中小企業だったこともあり、出入りする人間も限られていたことから、その男がターゲットが出てくる10分前に会社からでてきた男だということが判明。
つまり社内不倫を行っていたことがわかったのです。

駅のホームを出たあと、男と手をつないだまま駅から5分ほどの場所にある単身者向けのマンションに入る様子を確認。

後の調査により、そのマンションにはターゲットしか住んでおらず。
ターゲットには家族も居ないことがわかりました。

慰謝料請求と離婚の成立

この事実を知った林さんはショックを隠しきれませんでしたが「予想していたことですから」と、すぐに次の行動に移します。

それは、奥さんに浮気調査の報告書を見せて離婚を切り出すこと。
そして、事前に相談していた弁護士に慰謝料の請求を依頼することでした。

結果、林さんは見事離婚に成功し、慰謝料請求も150万円を手に入れています。
親権もきちんと手に入れ、子供も財産も奪われることなく離婚を成功させたのです。

離婚後の林さんは吹っ切れた様子で、すでに新しいパートナーを探していました。
「子供にさみしい思いはさせられない」とのことですが、何はともあれ守るもののある父親というのは強いものです。

菊池さん(仮名)は、妻の浮気に気が付き、自ら夫婦関係を見直す決意をされた勇気ある人です。

男性は妻の浮気がわかったとたん、即座に離婚に向けて行動する人がとても多いのですが、そういった男性だけではなく、菊池さんのように夫婦関係を見直そうと思う人もいます。

妻が浮気をしているのにまるで気が付かなかった

菊池さんの妻は、なんと5年以上も浮気を繰り返していました。
しかも相手はインターネット上で出会った男性で、その数は複数人にわたり、性交渉の回数も半端ではありません。

ですが、菊池さんは妻の浮気にまるで気が付きませんでした。
というのも、菊池さんは仕事一筋の経営者。大手企業を退社したあと自ら起業した会社を必死に育てあげた努力家です。

このようにワーカーホリック気味に働く男性というのは珍しくありませんが、菊池さんは典型的ともいえるワーカーホリックであり、仕事が忙しくなくとも会社に残り仕事をし続けるようなタイプでした。

こういった男性は、当然ながら妻に対して恐ろしいほど無関心です。

基本的に家にお金を入れれば、あとは仕事漬けの日々。
子育ても妻にまかせきりですし、何よりも仕事が大切な人間なのです。

となればやはり浮気には気が付きません。
もし気が付いていたとしても無視してしまうのがワーカーホリックタイプの男性の特徴。
すでに夫婦関係は事実上の崩壊状態であり、妻が浮気をしなくても、そのままなら離婚までまっしぐらだったでしょう。

出会い系サイトで浮気を繰り返す妻

専業主婦の浮気調査は大抵自宅から始まります。

その夜、友達との飲み会に出かけると言っていた妻を尾行すると、家から50メートルもはなれていない場所に止まっていた一台の作業用バンに乗り込むではありませんか。

運転席にいたのは、やはり作業着を着た男性。
バンの様子などから電気工事関係の仕事をしていることを推察できましたが、どう見てもデートという感じではありません。

妻が乗り込むと車はすぐに発進。そのまま20分ほど走行したあと、郊外にあるラブホテルの中へと入っていきました。

このパターンを見て勘の良い人なら気が付くでしょうが、これは明らかな出会い系の男女関係です。
ラブホテルに入っても1時間半ほどで二人は出てきますが、互いに手をつなぐことも、会話もそれほど多くはありません。

そして、車は大手コーヒーチェーン店の前で停車。
そこで妻を下した車は、そのまま走り去り、妻は喫茶店の中に入り時間をつぶしているようでした。

このあまりにもドライな関係性は個人売春の疑いもあると調べをすすめ、喫茶店内で妻が出会い系のアプリを操作していることを確認。
同じアプリを使い、妻と同じＩＤのユーザーを調べてみると、やはり個人売春を行っている様子が見受けられたのです。

菊池さん自身も浮気をしていた

菊池さんが浮気について許せた理由は、ひとえに自らの行いを反省したことにあります。

ただ、それは家庭をないがしろにしてきたことだけでなく、自分も浮気をしていたことが大きな要因となっています。

菊池さんが浮気をしたのは仕事関係の女性。
当時は愛人関係だったそうですが、相手が結婚をせまってきたといいます。
そこで妻との離婚を一度は検討したといいますが、やはり今の家庭を壊すことが怖かったため、菊池さんは愛人との関係を解消したと言います。

そんな過去があったからこそ、菊池さん自身も奥さんを許せたのでしょう。
菊池さん自身も過去の自分の浮気を妻に正直に話し「おたがい一緒にやりなおそう」と話し合ったそうです。