結婚詐欺で慰謝料をもらうための手順と3つの注意点

結婚詐欺の被害者は、金銭的な損害を受けたのはもちろんのこと、精神的に深く傷ついているでしょう。

 

犯人にはその埋め合わせをさせなければなりません。

 

すぐに思い浮かぶのは慰謝料請求ですが、結婚詐欺の犯人に慰謝料を請求することはできるのでしょうか?

 

ここでは、結婚詐欺で慰謝料を取るための手順や注意点について解説します。

結婚詐欺で慰謝料は取れる。詐欺の悪質さを主張しよう

結婚詐欺の犯人から慰謝料を取ることは、もちろん可能です。

 

慰謝料は精神的な苦痛を埋め合わせるためのお金だからです。

 

被害者は金銭的な損害と裏切りで深く傷ついていますから、犯人への制裁も込めて慰謝料を請求するといいでしょう。

結婚詐欺の慰謝料相場は50〜200万円

結婚詐欺の慰謝料の相場は、50万円から200万円ほどです。

 

できる限り金額を引き上げるためには、詐欺がいかに悪質なものであったかを証明する必要があります。

 

だまし取られた金額の大きさや、犯人と被害者が交際していた期間の長さ、犯人がついた嘘の内容などを詳しく主張するようにしましょう。

騙し取られたお金は慰謝料とは別に請求できる

なお、犯人が被害者からだまし取ったお金を取り戻すこともできますが、これは慰謝料請求とは別物です。

 

お金を取り戻すには、損害賠償請求や不当利得返還請求を行う必要があります。

 

被害額が大きい場合、慰謝料だけでは埋め合わせができないことも多いので、お金を取り戻すための請求も必ず行ってください。

慰謝料請求は内容証明郵便で行う。犯人の居場所特定が先決

結婚詐欺の慰謝料請求の方法は、内容証明郵便が基本です。

 

慰謝料を請求することと、応じなければ調停や訴訟を行う旨を記載し、犯人の自宅へ内容証明郵便で送ってください。

 

こうすれば、書類の内容を郵便局が保証してくれる上に、相手が受取を拒否したとしても内容を知ったものとみなされます。

 

ただし、相手がずっと家を空けていて郵便を手渡しできない場合は、内容を知ったとみなされません(諸説あり)。

相手の住所がわからない場合

また、相手の住所がわからなければ、そもそも郵便を出せないという問題があります。

 

結婚詐欺犯は、被害者からお金を受け取ったあとに逃亡してしまうことが多いので、まずは居場所を突き止めなければならないわけです。

 

そこで、探偵に人探し調査を依頼してみましょう。

 

専門の調査員が集中的に聞き込みを行ってくれるため、自力で探すよりも発見の確率はずっと高くなります。

 

内容証明郵便の作成も、弁護士に依頼した方が確実です。

 

話し合いで決着がつかなければ調停や裁判に進むことになりますから、先を見据えて弁護士に依頼することをおすすめします。

結婚詐欺の慰謝料請求では、証拠集めと早期解決が重要

結婚詐欺の慰謝料請求においては、犯人の逃亡以外にも注意しなければならないことがあります。

 

特に重要なポイントを紹介しましょう。

結婚の約束をしていたことを客観的に証明する

結婚の約束が口約束でしかなかった場合、結婚詐欺であることの証明は難しくなります。

 

約束などしていないと主張されればそれまでですからね。

 

両親や友人など、第三者の証言によって2人が結婚を約束していたことを証明してください。

犯人にだます意思があったことを証明する

詐欺罪は、犯人に被害者をだます意思があったことを証明しなければ成立しません。

 

確実に慰謝料を取りたければ、犯人が嘘をついていた証拠をできる限り集める必要があります。

 

多くの結婚詐欺師は、「身内の入院費でお金がかかる」「会社がうまくいっていない」などと嘘をついてお金をだまし取るので、犯人の話が本当かどうかを探偵に確かめてもらいましょう。

 

嘘を証明できれば一気に有利になります。

できる限り早く解決する

逃亡した犯人は、だまし取ったお金をすぐに使ってしまうことが少なくありません。

 

慰謝料請求が認められたとしても、犯人に支払い能力がなければ、実際に慰謝料を取ることは不可能に近いのです。

 

だまされたと気づいた時点で行動を開始し、早い段階で犯人を見つけ出しましょう。

 

可能なら口座の差し押さえなどの対抗手段を取ってください。

まとめ - 弁護士や探偵の力を借り、早期に慰謝料を請求しよう

結婚詐欺は、被害者の信頼を裏切り、さらにお金もだまし取るという二重の意味で残酷な犯罪です。

 

被害者の受けた精神的苦痛は、できる限り回復されなければなりません。

 

そのためには、お金を取り戻すだけではなく慰謝料を請求することが大切なのです。

 

詐欺罪の証明は難しいので、弁護士や探偵の力を借りて早期解決を目指しましょう。