妻の浮気が原因の離婚 - 離婚に至るまでの流れと手続きまるわかり
妻の浮気が発覚した場合、離婚を決意する夫は多いことでしょう。
しかし、離婚するにあたって具体的に何をすればいいのかは、大抵の人が知りません。
離婚時に決めなければならないことはたくさんあり、妻との十分な話し合いが必要なのです。
どうすれば有利に離婚することができるのでしょうか。ここでは、離婚に至るまでの流れを解説します。
浮気の証拠を入手し、離婚について妻と合意する
離婚をするためには、最低でも次の3つの手順が必要になります。
離婚までのプロセス
- 夫婦の合意
- 離婚届の記入と提出
- 子供の親権者の決定(未成年の子供がいる場合)
妻に離婚の意志を伝えて合意を得る
夫が最初にするべきなのは、妻に離婚の意志を伝えて合意を得ることです。
しかし、何の証拠もなしに話をしても、妻が受け入れるとは限りません。
夫の側から離婚訴訟を起こすこともできますが、そのためには不貞行為(浮気相手との肉体関係)があったという証拠が必要になります。
探偵に浮気調査を依頼するなどして証拠を手に入れましょう。
決定的な証拠があれば、妻が負けを認めて離婚に合意する可能性は高くなります。
また、慰謝料請求などの面でも有利になるため、訴訟を起こすつもりがなくても証拠を手に入れておくのが望ましいといえます。
浮気の証拠の手に入れ方については、こちらの記事で説明しています。
【妻の浮気】立証能力のある浮気の証拠の手に入れ方と活用方法
離婚届の提出・親権の決定
合意が得られたら、子供の親権や慰謝料などについて話し合います。
親権者さえ決定すれば離婚届の提出は可能になりますが、他の問題を処理する前に離婚を成立させてしまうと、トラブルを招くこともあります。
できる限り、すべての決着がついてから作成・提出するのがいいでしょう。
慰謝料や養育費など、お金の問題について相談・決定する
離婚の際には、さまざまな問題について夫婦で話し合い、その結論を記した「離婚協議書」を作成する必要があります。
問題の1つは子供の親権ですが、その他の多くはお金に関することです。
代表的なものを見ていきましょう。
慰謝料
浮気による精神的な苦痛を埋め合わせるためのお金です。
相場は浮気の内容によって異なり、妻の不貞行為が明らかな場合は300万円程度とされています。
ただし、法律で基準が決められているわけではないため、金額は相談次第ともいえます。
養育費
子供が自立するまでにかかる費用です。
妻が子供の親権者となった場合、夫は養育費を負担することになります。
金額は話し合いで決めるのが基本ですが、裁判所が作成した「養育費算定表」を基準とすることもできます。
養育費算定表では、夫婦の収入の差・子供の年齢・子供の人数に従って養育費を決めています。
養育費の決め方については、こちらの記事を参考にしてください。
妻の浮気で離婚した場合 - 子供の養育費の計算方法と取り決め方
財産分与
夫婦の共有財産を分けることです。
貯金、現金、不動産、株券など、夫婦が協力して築いたとみなされるすべての財産が対象となります。
借金も対象となることに注意してください。
準備が整ったら離婚届を提出する。無理なら調停や裁判を行う
すべての問題に結論が出せれば、あとは離婚届を提出するだけです。
しかし、すべての夫婦がスムーズに話し合いを進められるわけではありません。
状況別に、決着のつき方を確認してみましょう。
話し合いですべての結論を出せた場合
役所に離婚届を提出すれば、離婚は成立します。
あとは離婚協議書の内容に従い、お互いの責任を果たしてください。
このように、夫婦間の話し合いだけで離婚を成立させることを「協議離婚」といいます。
話し合いで折り合いがつかない場合
家庭裁判所に申し立てることで、離婚調停を行うことができます。
第三者である調停委員を間に挟むので、冷静な話し合いができるのがメリットです。
また、調停の結論は裁判の判決と同じ効力を持つため、取り決めの内容を実行させやすくなります。
調停によって離婚することを「調停離婚」といいます。
調停でも折り合いがつかないか、妻が離婚に同意しない場合
離婚訴訟を起こし、裁判で決着を着けることになります。
判決には、たとえ不服があっても従わなければなりません。
裁判によって離婚することを「裁判離婚」といいます。
まとめ - 離婚までの流れを把握し、問題を1つ1つ処理しよう
離婚は、夫婦の話し合いのみで決着を着けるのが理想です。
しかし、現実には親権やお金の問題をめぐって争うことが多く、裁判に発展することも珍しくありません。
有利に離婚を勧めたければ、弁護士に相談するのも1つの手段です。
離婚までの流れを把握し、自分がするべきことを1つ1つ確実に行いましょう。