妻の浮気による妻と浮気相手への慰謝料請求の手順まるわかり

妻が浮気をしているとわかったら、皆さんはどうしますか?
妻が謝罪して二度と浮気をしないと誓ったとしても、気が収まるとは限りませんよね。

 

そこで、妻や浮気相手に慰謝料を請求しようと考える人は多いはずです。

 

しかし、慰謝料はどうやって請求すればいいのでしょうか? 
また、離婚しない場合でも慰謝料は請求できるのでしょうか? 

 

ここでは、慰謝料の請求方法についての情報をまとめました。

慰謝料の請求は法的な根拠がある。離婚しない場合でもOK

慰謝料の請求ができる根拠は、民法710条にあります。
この法律では、他人に「財産以外の損害」を与えた場合、賠償をしなければならないと定められています。
つまり、不貞行為・プライバシーの侵害・名誉毀損などによって精神的な苦痛を受けた側には、それに見合った金銭を要求する権利があるわけです。

 

浮気の慰謝料というと、離婚に至った場合に請求するというイメージがあるかもしれませんが、法律上はそんなことはありません。
浮気相手、さらには婚姻関係を継続するパートナーにだって、慰謝料は請求できるのです。

 

あくまでも権利なので、「どうせ同居を続けるのだし、妻からお金を取り上げても意味がない」と考えるのなら、浮気相手にだけ請求するというのもいいでしょう。

 

なお、「妻と浮気相手に対し、個別に慰謝料を算出して請求する」ということはできません。
それは慰謝料の二重取りになってしまうからです。

 

慰謝料の金額は、あくまでも「夫の受けた苦痛を補填するのにいくら必要か」という考え方で算出します。
それを妻と浮気相手に分割して請求するのか、どちらか一方にだけ請求するのかを選べるだけです。

慰謝料の請求には、大きく分けて4つの手順がある

それでは、慰謝料の請求手順を見ていきましょう。

(1)口頭による請求

まず、慰謝料を請求するという意思ははっきりと伝えておいた方がよいでしょう。

 

極端な話、相手がそれに応じれば終わりです。
しかし、これだと慰謝料を支払うまでの流れや取り決めが何の記録にも残りません。
金額が妥当なのかということもわからないので、現実的には次の段階に進むことになります。

(2)内容証明による請求

内容証明は、手紙の内容や送り先、日付などを日本郵便が証明してくれる郵便です。

 

これを使って慰謝料を請求すれば、公的な証拠を残すことができます。
配達証明も使えば、手紙を受け取っていないと言い訳をすることもできなくなります。

 

ただし、法的な拘束力はないので、支払いを強制することはできません。
大抵はここで示談になり解決するのですが、駄目だった場合は調停に進みます。

(3)調停による請求

調停は、家庭裁判所に申し立てることで行える話し合いです。

 

弁護士などの専門家が調停委員として同席します。
調停委員の意見を聞きながら話し合い、最終的に合意・和解することを目指します。

 

調停が成立すれば、取り決めの内容は確定判決とほぼ同等の効力を持つため、慰謝料の支払いを強制することも可能です。

 

折り合いがつかなかったり、相手が出席しなかったりすれば調停はできません。
そうなれば最後の手段として裁判に進みます。

(4)裁判による請求

他の方法でどうにもならなければ、裁判で決着をつけます。
ここまで来てしまうのは、浮気の事実関係に争いがある場合などが多いでしょう。

 

判決が出れば、自分も相手もそれに従わなければなりません。
勝ちたければ、弁護士の力を借りることをおすすめします。

慰謝料を請求する時は、「証拠」「相場」「引き際」に注意

慰謝料を請求する時はいくつかの注意点があります。
足をすくわれないように確認しておきましょう。

確実な証拠を入手しておく

そもそも浮気の証拠がなければ、妻にも浮気相手にも言い逃れを許してしまいます。

 

必要なのは、「2人でホテルに入る様子の写真」「浮気をしていることがはっきりわかる通話記録」といった「明確な不貞行為の証拠」です。

 

証拠がしっかりしていれば、相手も負けを認めて早期に決着がつけられ、裁判になった場合も有利になります。

浮気の証拠を手に入れる方法については、【妻の浮気】立証能力のある浮気の証拠の手に入れ方と活用方法で詳しく説明しています。

慰謝料の相場を確認しておく

法律には、慰謝料の具体的な金額に関する定めはありません。
浮気の状況などを考慮し、相場に基づいて請求することになります。
自分だけでは妥当な金額が判断できないことが多いので、弁護士に相談するのがよいでしょう。

慰謝料の相場についてはこちらの記事も参考にしてください。
妻の浮気による慰謝料の相場と可能な限り慰謝料額を上げる方法

引き際も考えておく

婚姻関係の継続を前提とする場合、あまりしつこく慰謝料を請求し続けるのも考えものです。

 

浮気相手はともかく、素直に謝っている妻に対し高額の慰謝料を請求し続けると、夫婦関係が修復不能になることもあります。
けじめは大切ですが、今後も一緒に暮らすことを考えて、引き際を見極めるようにしましょう。

まとめ - 正しい手順で慰謝料を請求し、けじめをつけよう

「慰謝料を請求するぞ」というのは、何らかの被害を受けた場合の決まり文句です。

 

しかし、詳しい請求方法を知っている人はそう多くはありません。
確実に慰謝料をとってけじめをつけるためには、十分な準備を行い正しい手順を踏む必要があります。

 

不安であれば、弁護士や探偵といった専門家に相談してみましょう。

探偵の浮気調査については、こちらの記事も参考にしてください。
探偵の浮気調査 - 探偵はどこまでしてくれる?違法性はない?

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